中国無人機ブランド「DJI」は著名商標と認定され 区分を跨いで保護を受けた

案件概要

DJ-Innovations社(深圳市大疆创新科技有限公司)は、2006年に成立され、世界でトップの無人飛行物体制御システムと無人機の研究開発メーカーであり、商標登録第11784570号「大疆」(以下、「係争商標」という)の商標権者でもある。

 

大疆実業社(北京大疆实业有限公司)は、携帯電話製品(以下、「侵害商品」という)の生産・販売企業で、同時に、作成・放送した宣伝ビデオ及びその公式ウィチャットアカウントで「大疆スマホ」と称する侵害商品に「大疆」商標を使用して携帯電話製品の出所を表示していた。その他、大疆実業社は、「大疆」商号の企業名称を登録し、使用していた。

 

判決要旨

DJ-Innovations社が本件で提出した証拠は、侵害行為が発生した時に、係争商標は既に第12類の「航空機」商品で長年の使用及び広範な宣伝を行い、比較的大きい市場シェアを占め、広い販売地域を持ち、既に中国国内の関係公衆によく知られ、著名商標の程度に達したことを証明することができ、本件で「著名商標」と認定されるべきである。

 

係争商品「携帯電話機」と係争商標の「航空機」商品とは、効能用途、需要者などの面で一定の差異が存在しているものの、両方とも民間用の科学技術製品であるため、緊密な関連性を有する。大疆実業社が「携帯電話機」商品に「大疆」商標を使用する行為は、消費者にDJ-Innovations社の係争商標を連想させる可能性が十分あり、当該商標と商標権者の緊密な関連性及び対応関係を低減し、当該商標が持つ「著名商標」としての識別力を希釈化させた。

 

大疆実業社は、係争商標が「航空機」商品で高い知名度を持つことを知っているものの、依然として侵害商品で「大疆」標章を使用し、当該著名商標が消費者に特定の出所を表示する機能を弱体化させ、著名商標の市場名誉を不正に利用し、2013年商標法第13条第3項が規定する要件に該当し、DJ-Innovations社の登録商標専用権を侵害した。

 

「大疆」は独創した言葉であり、その識別力は強く、かつ当事者双方とも広東省深圳市 に位置し、大疆実業社は係争商標とその知名度を知っているべきである。会社名称を登録する際に、「大疆」使用について合理的に避けるべきであるが、逆に「大疆」を会社名称として登録を行い、かつ商業活動で使用し、著名商標にただ乗りする意図を有し、自社がDJ-Innovations社と何らかの関連関係があると消費者に誤認させた。ゆえに、信義誠実の原則に違反し、不正競争行為に該当する。

 

フェアスカイコメント

伝統的理論では、商標権の保護を指定商品または役務に限定しているが、商標希釈化は、商標権の保護を他人の同一又は類似商標が同一又は類似しない商品/役務に拡大した。

 

著名商標は関係公衆によく知られ、市場で比較的高い名誉を持ち、普通の商標と比べて、著名商標はその指定商品の出所を表示するだけでなく、識別の機能も持っており、さらに優良な製品品質と企業信用を象徴し、巨大な商業価値を持っている。希釈化の行為者が同一又は類似しない商品/役務で著名商標と同一又は類似商標を使用すると、消費者が当該商品/役務は著名商標の所有者と関連性を有すると判断することで、当該商品/役務を選択し、希釈化の行為者はこれによって利益を獲得する。

 

著名商標は、往々にしてとても強い識別力を持っており、同一又は類似しない商品または役務で著名商標と同一又は類似商標を使用する場合、著名商標の識別力を希釈化させ、その吸引力を弱体化させ、最終的に普通商標化し、さらに商標にならない恐れがある。当該行為は、商標所有者の名誉に多大な損失を与える。

 

本件で、北京知的財産権法院と北京市高級人民法院は著名商標の区分を跨いだ保護について支持の態度を示し、判決においても「希釈化」、「弱体化」又はそれらと似た言葉を採用し、これは、今後、著名商標の保護強化に積極的な影響を与える。

判決番号:(2020)京民終521号

 

北京フェアスカイ特許法律事務所は、本件の勝訴側を代理した。

 

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