中国 北京

中国非正常出願行為

非正常出願行為と言えば、最初に頭に浮かんできたのは、非正常専利出願行為(専利は日本の特実意に対応)であろう。非正常専利出願行為に関して、2021年3月12日に中国国家知識産権局によって「専利出願行為の規範化に関する弁法」が公布され、その中にその定義から処罰原則まで詳しく記載されました。

「専利出願行為の規範化に関する弁法」の中国語及び和訳語のリンクはそれぞれ以下の通りです。

中国語:https://www.cnipa.gov.cn/art/2021/3/12/art_74_157677.html

和訳語:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210311.pdf

 

中国では、実体審査不要、政府補助制度適用等の理由によって、実用新案の非正常出願のほうが発明や意匠よりも多く、最も処罰記事に出ています。そして、実用新案の非正常出願によって、出願人だけではなく、その業務を代理する特許代理機構自体も処罰対象になります。なお、実用新案の他に、発明と意匠はどうなるかについて、弊所によって検索した結果、以下のような関連記事が見つかりました。

1、「这9家因大量代理非正常专利申请的专利代理机构被吊销许可证/停业(大量の非正常特許出願を代理した9つの専利代理機構はライセンスが取り消され/事業が閉鎖された)」

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1719815182896257560&wfr=spider&for=pc

2、「提升专利质量出重拳,上海查处的首起“代理非正常专利申请”违法案件公示(特許の質を向上するために、上海で調査・処理された「非正常特許出願代理」に関する違法事件が発表された)」

https://sghexport.shobserver.com/html/baijiahao/2021/02/24/367793.html

3、「国知局谈打击非正常专利申请:处罚近200家无资质代理机构(国家知識産権局による非正常特許出願の取り締まりに関する説明:資格のない200近くの代理機関を罰した)」

https://view.inews.qq.com/a/20211209A03NZV00

4、「申请商标被判不正当竞争赔偿160万,代理商标被判帮助侵权连带赔偿64万(出願した商標が不正競争で160万人民元の賠償金が判決され、当該商標の代理によって代理機構が帮助侵害による連帯責任で64万人民元の賠償金が判決された。)」

https://mp.weixin.qq.com/s/pwkMVb8RXe3ywxp-Qi8-tg

 

これらの関連記事によって分かるように、実用新案の他に、発明と意匠だけではなく、商標も同じように管理された。不正常特許・商標出願を提出する出願人は処罰対象になり、それを代理する代理機構も帮助侵害で連帯責任を負います。

今の中国は、量から質への向上政策に対応して、非正常専利・商標出願を排除するように、出願行為の規範化の進めや補助金制度の廃止などがどんどん推進されています。今まで代理した日本出願案件状況から見れば、ほとんどの出願が高品質のものであり、非正常なものに合致しないことが明らかです。ただし、もし同じ代理機構を利用する別の出願人が不正常出願を提出したら、代理機構自体の処罰によって、同じ代理機構を利用する日本出願人も間接的に影響されますので(少なくとも案件の転出とか)、こういうことに十分な注意が必要であると思われます。

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