中国 北京

フェアスカイの孔繁文及び張秋林が代理した案件が、CNIPA2018年特許復審無効十大案件に選出

フェアスカイ特許法律事務所の孔繁文及び張秋林が代理した「中微半導体設備(上海)有限公司vs維易科精密器具国際貿易(上海)有限公司(Veeco Instruments Inc.の中国支所)」発明特許無効案件が、国家知識産権局2018年特許復審無効十大案件に選出された。

 

【本案件の基礎情報】

案件整理番号:第5W113251号

決定日:2017年11月17日

特許番号:201220056049.5

発明名称:化学気相蒸着装置

特許権者:中微半導体設備(上海)有限公司

無効宣告請求人:維易科精密器具国際貿易(上海)有限公司

 

【本案件の紹介】

請求人である維易科精密器具国際貿易(上海)有限公司(以下、「維易科公司」と称する)は、中微半導体設備(上海)有限公司(以下、「中微公司」と称する)保有の第ZL 201220056049.5号特許権に対して無効宣告請求を提出した。係争特許発明は、化学気相蒸着(CVD)装置、特に有機金属化学気相蒸着(MOCVD)装置に関するもの。

維易科公司は、この分野で大半のコア技術を保有する業界大手企業で、2017年4月にニューヨーク東部連邦裁判所で、中微公司のコア部品サプライヤーであるSGLに対して特許侵害訴訟を起こし、行為保全決定を得、SGLによる中微公司へ部品提供を差し止めた。これに対抗する形で、中微公司は、維易科公司が係争特許権を侵害するとして、維易科公司を相手取って福建省高級人民裁判所に提訴した。そこで、維易科公司は、係争特許に対して元特許復審委員会に無効審判請求を提出した。係争特許に係る「MOCVD装置」は半導体素子(例えば、LEDチップ)を生産するための重要設備であり、半導体業界で重要な役割を果たし、業界発展に重要な影響力を有している。このため、本案件は半導体業界及び社会で広く注目を浴び、2017年中国半導体業界の十大事件の一つとなった。

元特許復審委員会は、特許権者が無効審判段階で提出した修正後の権利要求を基に審査し、第33884号無効審判請求決定書で特許権の有効性を維持した。

本決定が出された後、中微公司は福建省高級人民裁判所で維易科公司に対する行為保全決定を得た。その後、両者の継続交渉により、双方は本件特許紛争を停止することに合意し、全世界で相互に実施許諾するとの和解契約書を締結した。

 

【本案件の意義】

本案件は、新規性及び進歩性の評価においては技術本質を把握すべきという審査理念に基づき、発明に対する分析が技術的特徴の対比及び技術の判断に当たって重要な役割を果たすということを示した。

さらに、本案件は、企業間競争において特許が有効な武器として重要な役割を果たすということ、また、中国企業が国際市場競争で自身の知的財産権を効果的に活用できるということを示した。

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