北京知識産権法院:ショート動画著作権事件の裁判状況を報告

8月19日、北京知識産権法院はショート動画著作権事件の裁判状況に関する記者会見を行った。会見では、北京知識産権法院が「北京知識産権法院ショート動画著作権事件裁判状況報告」を発表し、ショート動画は作品を構成するか否か、侵害行為の主体をどのように認定するか、紛争が発生した後にどのように区分し、責任を課すか等について、以下の通り詳細に説明した。

 

(一)短編動画著作物及び権利侵害行為の基本的類型

著作権法の観点から、独立して創作された表現は著作物を構成する。短い動画は独創的な表現を有し、「著作権法」及び「著作権法実施条例」の関連定義に合致しておれば、映画の撮影製作に類似する方法で創作された著作物に該当する。

関連するビデオの種類と行為を見ると、主に次の3つがある:

1、他人が制作した短いビデオをネット上に提供して伝播する。

2、他人の作品を利用して演技などの方式で短いビデオを制作する。

3、他人が作成した動画や作品を再構成して短い動画を作成し、ネットワークに提供して配信する。

 

(二)ショート動画著作権侵害の主体と責任の認定

短い動画の内容が他人の著作権を侵害する場合、制作者が責任主体となることについて裁判上特に争いはない。ただし、ネットキャスターがその放送する動画において他人の著作権を侵害するような場合には、プラットフォーム経営者の性質及びキャスターとの関係に基づいて責任を認定する必要がある。

法律と司法解釈に基づき、放送プラットフォームとキャスターが分業協力を構成するか、放送プラットフォームが技術サービス提供者であるかの2つの状況を区別するよう注意すべきである。前者に該当する場合は、共同侵害を構成し、連帯責任を負うが、後者に該当する場合は、被権利侵害者がプラットフォームに有効な通知をしたか否かを審査する必要がある。

 

(三)短い動画の「合理的使用」の認定

「著作権法」第22条は「合理的な使用」の12種類の具体的な状況を規定して権利制限しており、すなわち、当該状況に合致する場合には、権利者の許諾を得る必要がなく、報酬を支払う必要もないとする。

短い動画には多くの素材が含まれており、他人の著作物が含まれている場合には、同様に「合理的な使用」を構成するか否かを考慮する必要がある。合理的な使用を認定するには、具体的な事件の状況を踏まえ、かつ使用状況を総合して判断する必要があり、原則として原著作物の正常な使用に影響を与えてはならず、著作権者の合法的利益を合理的に保護しなくてはならない。

 

【裁判官からのコメント】

まず、短い動画を創作するには、著作物に権利マークと権利保護声明を付すことに注意しなければならず、これらはその後の権利保護にとって極めて重要である。

第二に、短い動画を対外的に権利付与する場合にも、権利付与・伝播の証拠を保存しなければならず、そうしなければ、紛争が発生した場合に誰が先に発表したかを証明することは難しい。

第三に、ショート動画の利用者及びその放送プラットフォームの経営者は往々にして同一ではなく、実際、権利者は往々にして放送プラットフォームに権利通知を出し、放送プラットフォームに放送停止を要求する。ショート動画放送プラットフォームが通知を出した証拠及びショート動画放送プラットフォームが通知を受け取った証拠を保存することに注意しなければならず、この点はプラットフォームが責任を負うべきか否かの認定にとって非常に重要である。

第四に、権利侵害行為の損害程度の具体的な証拠、例えば権利侵害の継続期間、権利侵害の影響範囲、被告の利益状況等の保存に注意する必要があり、これらの証拠は賠償額の認定に影響を与える重要な要素となる。

第五に、短い動画の制作にあたっては他人の知的財産権を尊重しなければならず、他人の作品を勝手に使用してはならない。

第六に、他人のショート動画を放送するには、ショート動画著作権者の許諾を取得しなければならない。

 

以上から、創作者個人であれ、配信プラットフォームであれ、ショート動画という新型業態の著作権の法律関係を正確に認識し、自身の権利保護意識を絶えず高め、法律の枠組み内で創作及び経営を行うべきである。

 

出典:中国法院網

 

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